地価の価値

地価の値上がりは長くは続かないこと、値上がりしている周辺地域の高額マンションの値崩れをきっかけとして、ふたたび値下がりに転ずること、今後5年ほどの期間を予想すると、不動産の供給過剰と、経済全体の低迷、不動産需要の減退もあいまって、地価は今の価格の五割くらいまで下落してもおかしくないことを説明した。「お孫さんが生まれて、娘さんから家を買ってとねだられても、断ってください。その代わり、快適な家を借りて家賃を払ってあげて、娘さんをなだめてください」などと訴えた。読者のみなさんにも、ここで同じことを申しあげておきたいのである。これまで述べてきた事項も含め、地価下落の要因を簡単にまとめると、つぎのようになる。こうしたもろもろの状況を考えると、残念ながら、地価はさらに下落すると確信せざるを得なくなってくる。地価が下がると、日本の経済・社会は大きく変化する。地価の下落によって、金融機関をはじめ、含み益を経営に織り込んできた大企業が大きな痛手を受けてきたことは周知のとおりである。平成の「失われた10年」は、まさに地価下落がもたらした災いともいえる。だが、ことここに至っても庶民の感覚は、一概に土地資産の値上がりを希望しているわけではないようだ。地価が下落することに対して、一般にどう考えられているのだろうか。〇〇システム不動産金融研究所は地価の値上がりを希望するか値下がりを希望するか、1000人の男女を対象にアンケート調査を実施した。平成14年5月の調査では78%の人たちが値下がりを希望していたので、「そろそろ下げ止まってほしい」「値上がりに転じてほしい」と思っている人が増えてきていることは確かなようだ。こうしたアンケート調査を最初に行なった平成九年六月には84%の人が値下がりを希望していたが、11年から14年までは値下がり希望率は七割台に低下し、値下がり希望は属性や地域によってかなり違いが存在する。大阪は東京よりも値下がりを希望する割合は低い。男女別に見ると、女性のほうが男性より値下がりを希望している割合が多い。男性は職場の状況や見聞に左右されるのだろう。年代別で見ると、平成15年までは20歳代で9割以上がなお値下がりを希望していたが、16年に入って、年齢による差はあまり見られなくなる。「持ち家族」「借家族」、親などが家を持ち、いずれ相続などで家を持てる「広義の持ち家族」の区分では、「借家族」の九割は値下がりを希望している。

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